1.76年まで/2.原案報告される/3.78JISの愚行?/4.83JISの暴挙?/5.90JISの改訂

符号化漢字集合(JIS漢字=JIS X 0208)制定の経緯

1.76年まで

・情報処理学会試案
林大氏は、日下部重太郎氏が昭和八年に発表された「日下部表」(『現代国語思潮』続篇に付載された漢字表)をたたき台にして情報処理学会試案をつくった。
加藤氏の林大氏へのインタビュー
「日下部表」を「学会試案」の委員会に出したわけではない」。「実際に第1水準・第2水準にわけたのは、JISの原案を審議する段階でおこなったのですが、日下部表の等級はまったく使っていません。」
「JISのための委員会は森口さんが委員長で、 1974年からはじまっています。最初の二年間は、情報処理開発協会が事務局になりまして、JIS原案のもとになるものを作ったような記憶があります。」

JIS C 6226 小年表−−加藤氏の表を改変

1969
4or12
情報処理学会の漢字コード委員会発足
1971
3
漢字コード委員会は「標準コード用漢字表(試案)」をまとめて休眠にはいる
1974
3
行政管理庁、8つの漢字表をもとに「行政情報処理用標準漢字選定のための漢字使用頻度および対応分析結果」をまとめる
1974
4
日本情報処理開発センター(現在の「日本情報処理開発協会」)、漢字コード開発を受託し、「漢字符号標準化調査研究委員会」発足。行政管理庁の成果を文字セットの基本にする
1976
3
JIS C 6226の原型というべき「情報交換のための漢字符号の標準化に関する調査研究報告書」がまとまる
1976
4
日本規格協会が JIS C 6226の開発を受託、JIS原案委員会発足
1978
1
日本工業標準調査会の審議をへて、JIS C 6226-1978制定

・「対応分析結果」まとまる
74年(昭和49年)3月、行政管理庁行政管理局は、情報処理学会試案以下の8つの漢字表・文字セットをもとに、 「行政情報処理用標準漢字選定のための漢字使用頻度および対応分析結果」(以下「対応分析結果」)をまとめた。その上で「行政管理庁基本漢字」を選定した。
     漢字表の名称              漢字数 作成昭和年月
(1) 標準コード用漢字表(試案)        6086  46年10月
(2) 6社協定新聞社用コード表(CO-59)     1985   34年8月
(3) 内閣調査室収容漢字表           3181    48年8月現在
(4) 科学技術情報センター収容漢字表(JICST)1864    48年8月現在
(5) 大蔵省主計局収容漢字表         4276  48年8月現在
(6) 国立国会図書館収容漢字表        3956  48年8月現在
(7) 日本生命収容人名漢字          3044  48年8月現在
(8) 国土行政区画総覧使用漢字        3251	  47年度

行政管理庁は、上に挙げた八つの漢字表を収集し、官報での出現頻度を調査するなどして「行政情報処理用標準漢字」を選定している。「行政情報処理用標準漢字」と「行政管理庁基本漢字」とは、同じものと考えておいてよい。(細かいことをいうと、「対応分析結果」を出した次の年に、「行政情報処理用基本漢字に対する符号付与に関する調査研究報告書“付表”」を出すのだが、これに記載されるのが「行政管理庁基本漢字」である)(加藤氏の本に対する池田証寿氏の訂正に基づく)
・通産省、JIS漢字コードを開発するように工業技術院に指示する。
・工業技術院、開発実務を日本情報処理開発センター(現・日本情報処理開発協会)に委託する。74年4月、「漢字符号標準化調査研究委員会」(74年委員会)(森口繁一委員長)発足する。

2.原案報告される

「情報交換のための漢字符号の標準化に関する調査研究報告書」(51年3月日本情報処理開発センター)
巻末符号表−区点方式94×94
「この四つの漢字表にあれば78JISに採用されているといって差し支えない。」(池田)
  漢字表の名称          漢字数 作成昭和年月
「標準コード用漢字表(試案)」   6086字  46年10月
「行政管理庁基本漢字」       2817字  50年3月
「日本生命収容人名漢字表」(人名) 3044字  48年8月現在
「国土行政区画総覧使用漢字」(地名)3251字  47年度
「第1次規格が依拠した主要な4漢字表(情報処理学会標準漢字コード表、行政管理庁基本漢字、日本生命人名漢字表、国土行政区画総覧)は、すべて資料2を入手先としている。」(97JIS解説、これでは4漢字表を並列しているので、読み間違えやすい。資料2とは、「対応分析結果」のことで、78JISの原案委員会の検討資料である--蛇口)。
加藤氏の田嶋氏へのインタビュー
田嶋 そうです。ですから、キャラクタとしてどのくらいの数を用意すればいいのか、というところから調査しました。国会図書館や明治生命は三千程度の文字セットを用意していまして、電算写植機も三千程度なんですが、われわれは国文学の文献のデータベースを作ろうとしているわけですから、その程度では到底おさまらないだろうという予想を立てていました。いろいろ調査をすすめた結果、二万字あればいいだろうという結論に達しました。
   われわれが基本設計を進めている頃、JIS C 6226の開発が進んでいましたので、途中段階の試案や原案を入手し、基本的にはJISコードを使い、ない文字は拡張面におくというアーキテクチャを選びました。国文学研究資料館が導入を決めたHITACの日立も同じ考えでした。
   しかし、1969年から着手しているのに、JISがなかなか正式の規格にならないので、1976年3月段階の原案をもとに、見切り発車に近い形で文字コードを決めました。幸い、JIS正式版は、われわれがもとにした原案から漢字一字を削除しただけでした。HITACが国文学研究資料館に搬入されたのは、1977年1月でした。

3.78JISの愚行?

第1水準2965字、第2水準3383字合計6348字(「社会」p80、「社会」p113、6349文字とある)が決定。 JIS X 0208-1978(旧称−JIS C 6226-1978)。78年版を「旧JIS」と呼ぶことがある。
選択の基準 「社会」によると、古い資料に基づいていたため、例えば「剣」の異体字が多数収録された。

選択の結果 ・当用漢字が無視され、旧字体が第1水準、新字体が第2水準収録されていた。
・高校までの教科書によく使用されている字体が無視された。
愚挙の背景 ・国民背番号制の導入のため、地名人名が優先されたのでは??

加藤氏の田嶋氏へのインタビュー
――「JIS漢字表の利用上の問題」という論文は、とりようによっては、JIS批判が含まれていたのではありませんか?
田嶋 78JISの功績が大であることはいうまでもありませんが、問題点が二つありました。
   一つは一字種一字体といいながら、「富」と「冨」のように異体字を別字として収録していたことです。「富」と「冨」が別字あつかいなのに、「高」と「」は包摂されており、選定規準があいまいということもありますが、それよりも重大なのは、文字セットを拡充するための一貫した規準が作れないという点です。
――最初から増やすつもりはなかったということのようですが。
田嶋 まあ、そうなんでしょうが、第二の問題点は字体設計の詳細は定めないとした点です。
――論文のこの部分ですね。
   また、漢字情報処理システムの普及とプリンタの発達によって、漢字プリンタアウトプットがそのまま印刷の版下になる場合がふえてきた。漢字プリンタアウトプットが単なる内部資料としての利用だけではない時代に、すでに入っているのである。漢字プリンタの文字フォントのデザインも、それだけの社会的責任を持つ時代になっているのである。
電子テキストがそのまま流通する時代をむかえて、この先駆的な御指摘はいよいよ重要性を増したと思います。

田嶋 この二点を指摘した論文を発表したことで、わたくしは「JIS批判者」の烙印を押されたようです。わたくしとしては批判したつもりは毛頭なく、実用上の課題を整理したにすぎないのですが。
――JIS関係者は、昔も今も変わりませんねえ(笑)。
田嶋 実はある方から、「JIS批判をしているとJISの委員になれないから、JIS批判をやめ、JISの委員になり、内部から改革すべきだ」と御忠告いただいたことがあります。別になりたいとは思いませんでしたが。
――97JISの委員会は、委員になりたい方々が委員になっている例が多いようですが、90JISまでの委員は仕方なく引きうけたという方がほとんどのようですね。ただ、田嶋先生が83JISの委員会にはいっていたら、83改正は別の形になっていたかもしれません。
田嶋 わたくしでなくとも、漢字データベースの運用経験のある方が委員におられたら、ああいう改正はやらなかったと思います。
――その点について、野村雅昭先生に何度もインタビューをお願いしているのですが、応じてくださらないので、関係資料を探したところ、「しにか」1990年10月号に掲載された鼎談で、こういう発言を見つけました。
=====
    古瀬 変えるなら早いうちに、ですか。
    野村 そう。七八年版JIS制定から五年が経過していたんですが、ぎりぎりのところで、そういう選択だったわけです。ところが、こちらの予想以上に七八年版JISのユーザーが増えていた。見通しが甘かったと言われれば、そのとおりです。先発のメーカーが、そう簡単に切り替えられないことをもっと強く主張してくださるべきだった、なんてね(笑)。
=====
  ユーザーが多いかすくないかという問題ではないと思うんですが。
田嶋 システムを運営した経験がすこしでもあれば、文字を入れ換えるということがどういうことか、わかるはずなんですが。
   もう一つ、人名用漢字表で増えた4字の簡略字体を別字として追加するにあたって、いわゆる康煕字典体のあった場所を簡略字体で置きかえ、もとの字形は84区に移しました。ところが、78JISでは84区は自由領域にしていたんですよ。
――そうでした。78JISは、空き領域のうち、途中まで文字がはいっている区の後ろの部分は「将来の規格における増補が予想されるので、保留領域としての性格が強い」としていますが、「区単位にそっくり空いている場所、つまり第8〜15区及び第2水準漢字の後ろの第84〜94区」は自由領域としての性格が強いとしています。
田嶋 84区は外字エリアの最初ということもあって、もっとも使われていた場所でした。これも、わずかでも運用経験があれば、絶対にやらないと思います。
   84区に文字を追加する件は、83JISの委員会でも議論になったのか、外部にかなり伝わっていまして、いろいろな方が「そんなことをされては困る」と意見表明をされていました。わたくし自身、ある研究会の席で、絶対にやるべきではないということを、野村先生に直接お伝えしました。ところが、83JISができてみると、84区をつぶしただけでなく、300字近い字体変更や、22組の文字の入れ換えまでやっていて、言葉を失いました。

4.83JISの暴挙?

JIS X 0208-1983(旧称−JIS C 6226-1983)
83年版は「新JIS」と呼ばれるが、改訂の少ない90年版を合わせて「新JIS」と呼ぶことが多い。 「処理」p.170
特徴−−78JISの愚行を修正した。「新字体を第1水準、旧字体を第2水準にほぼまとめた」
「電脳社会の日本語」参照。漢字情報は「ATOK12」による。p.114

(1)区点(字体)の入れ替え
22組44文字−78JISの異体字関係にある22組について、第1水準と第2水準間でコードを入れ替えた。「社会」p.116。「字典」p.256。それまでの電子文書とのつながりがなくなった。
附属書1表3  22組の異体字関係にある漢字
=ソウ/あじ。うおへん・さかなへん。19画。
JIS:3033、シフトJIS:88B1、区点:01619、Unicode:9BF5
=ソウ/あじ。うおへん・さかなへん。19画。
JIS:724D、シフトJIS:E9CB、区点:08245、Unicode:6867
鴬1809鶯8284、蛎1934蠣7358、撹1941攪5788、竃1986竈6762、潅2035灌6285、諌2050諫7561、頚2359頸8084 砿2560礦6672、蕊2841蘂7302、靭3257靱8055、賎3308賤7645
=コ/つぼ。さむらい。11画。
JIS:445B、シフトJIS:92D9、区点:03659、Unicode:58F7
=コ/つぼ。さむらい。12画。
JIS:5464、シフトJIS:9AE2、区点:05268、Unicode:58FA
砺3755礪6674、梼3778檮5977、涛3783濤6225、迩3886邇7778、蝿3972蠅7404
=カイ/ひのき。きへん。10画。
JIS:4930、シフトJIS:954F、区点:04116、Unicode:6867
=カイ/ひのき。きへん。17画。
JIS:5B58、シフトJIS:9E77、区点:05956、Unicode:6A9C
侭4389儘4854、薮4489藪7314
=ロウ/かご、こ・める、こも・る。たけかんむり。16画。
JIS:4F36、シフトJIS:9855、区点:04722、Unicode:7BED
=ロウ/かご、こ・める、こも・る。たけかんむり。22画。
JIS:6446、シフトJIS:E2C4、区点:06838、Unicode:7C60
(2)漢字追加とそれに伴う区点(字体)変更
人名用漢字4字−−4文字が加わり、78JISの例示字体(旧字体・後項の4文字)は第2水準漢字の最後尾の区点に移動した(78JISは、8区〜15区、84区〜94区を"自由領域"としていたが、その84区に)。
(98VX-1986は、78JISのため、堯は22区38点、尭は84区1点であり、JIS7400番台は文字が割り当てられていない。AR-2400は、83JISのため7400番台は以下の4文字のみ割り当てられている。)「字典」p.257
附属書1表5  5組の異体字関係にある漢字そのうちの4組。

=ギョウ/たか・い。つち。8画。
JIS:3646、シフトJIS:8BC4、区点:02238、Unicode:5C2D
=ギョウ/たか・い。つち。12画。
JIS:7421、シフトJIS:EA9F、区点:08401、Unicode:582F
=シン、テン/まき。きへん。14画。
JIS:4B6A、シフトJIS:968A、区点:04374、Unicode:69D9
=シン、テン/まき。きへん。14画。
JIS:7422、シフトJIS:EAA0、区点:08402、Unicode:69C7
=ヨウ/はる・か。しんにゅう、しんにょう。12画。
JIS:4D5A、シフトJIS:9779、区点:04558、Unicode:9065
=ヨウ/はる・か。しんにゅう、しんにょう。14画。
JIS:7423、シフトJIS:EAA1、区点:08403、Unicode:9059
=ヨウ、たま。おうへん・たまへん。13画。
JIS:6076、シフトJIS:E0F4、区点:06486、Unicode:7476
=ヨウ、たま。おうへん・たまへん。14画。
JIS:7424、シフトJIS:EAA2、区点:08404、Unicode:7464


(3)300文字の字形変更
    300文字が字形変更された。多くの78JISの例示字体(旧字体)が、当用漢字字体表に準じて簡略化され、同じ区点に置かれた。78JISの例示字体(旧字体)は、83JISの文字セット(例示字体)から消えた。字形の変更は、「字典」では78などと記してあるが、一覧表は見当たらない。詳細は「字典」xviii。字形の変更と称しているが、大きく異なる例もある。
    「78JISでは、1)写植フォントになかった文字は、合成で作字したが、デザイン方針が統一されていなかった。2)常用漢字以外に新字体が採用されなかった。
   そこで、83JIS、90JISでは、1)デザインを統一しようとした。2)常用漢字以外の多くの例示字体に、常用漢字に準じて部分字体に新字体を採用した。結果、これまでとデザインの異なる多数の字形が例示字体となった。」
  しかし、該当する字体の全てについて、変更されたわけではない。例えば、捗3629-u6357、瀕4146-u7015は、常用漢字の頻4149-u983Bからの類推で、点のある「少」に変更されたが、常用漢字に賓があるが、常用漢字に浜があるためか、濱6332-u6FF1のままである。嬪5345-u5B2Aなども変更されていない。
   97JISでは、それらを分類し、それから常用漢字のデザインの違いや78JIS制定時のメモを参考に、包摂規準を作り上げた。同じ規準の関係にある複数の字形で、すでにそれぞれに区点が割り当てられている場合は、包摂規準の適用外とした。 ただし、97JISで6.6.4の29組の例外−−ABどちらの書体でもいい−−を設けた意図が不明だ。

97JISの包摂規準を参考に、字形変更を分類してみた。
*は連番に例示されていない漢字

1)包摂規準があるもの
戸の入り。右→左=連番5扉4066-u6249
//→ソ=連番7嫌2389-u5ACC
足の左。エ→・連番9昂2523-u6602
ハ→ソ=連番11*酋2922-u914B、*猷4518-u7337、*楢3874-u6962、*噂1729-u5642、樽3514-6A3D、*鱒4380-u9C52、*溢1678-u6EA、鄭3702-u912D
小→ツ=連番16*哨3005-u54E8、*梢3031-u68A2、*鞘3068-u9798、*蛸3493-u86F8、*屑2293-5C51、 *隙2368-u9699、廠3019-5EED、*蔽4235-u853D、*瞥4245-u77A4
ノノ→ン=連番18翰2045-u7FF0、*翫2069-u7FEB、摺3202-u647A、煽3290-u717D、*翠3173-u7FED、*謬4121-u8B2C
羽。ノノ→ヨ=連番19*濯3485-u6FEF、擢3707-u64E2
ノノ→ン=連番20鰯1683-u9C2F、溺3714-u6EBA
爪→ノツ=連番21*淫1692-u6DEB、采2651-u91C7、*媛4118-5A9B
点二つ→ン=連番25柊4102-u67CA
横線→点=連番32杓2861-u6753、灼2862-u707C、
月。2点→2棒=連番36*煎3289-u714E、*棚3510-u68DA、*廟4132-u5EDF、*愈4492-u6108、*癒4494-u7652
告。抜ける→抜けない=連番42鵠2584-u9D60
唐。抜ける→抜けない=連番43塘3768-u5858
周。キ→土=連番44凋3592-u51CB。
偏。横棒出る→でない=連番52那3865-u90A3
横棒、抜ける→抜けない=連番54慧2337-u6167、*鱈3513-u6C48
・→己=連番67*巻2012-u5DFB、倦2381-u5026、捲2394-u6372
巳→己=連番70*鞄1983-9784、*庖4289-u5E96、*泡4302-u6CE1、*巽3507-u5DFD、*撰3281-u64B0
ソ→×=連番72諺2433-u8AFA、薩2707-u85A9
旁の始点。交差する→しない=連番74恢1890-6062
旁の足の構えの始点。交差する→交差しない=連番75檎2473-u6A8E
ヒの縦線に交差する→しない=連番77*靴2304-u9774
七→ヒ=連番78*鴇3830-u9D07
全の2画の起筆強調→普通=連番79栓3282-u6813、詮3307-u8A6B
・→冊=連番94柵2684-u67F5、珊2725-u73CA
母→毋=連番98晦1902-u6666
ソ−−=連番99黛3467-u9EDB
ソ→ハ、ソ→−=連番101噌3325-u564C
免。続ける→続けない=連番102挽4052-u633D、娩4258-u5A29
卑。続ける→続けない=連番103稗4103-u7A17
良→・=連番111榔4717-u6994
者。点ありなし=連番125堵3740-u5835、*賭3750-u8CED、*箸4004-7BB8、*屠3743-u5C60、*薯2982-u85AF、*藷2983-u85F7、瀦3585-u7026、*儲4457-u5132
しんにゅう2点→1点=連番128*迂1710-8FC2、*遮2855-u906E、*逗3164-u9017、*迦1864-u8FE6、*辿3509-u8FBF、*遁3859-u9041、*逼4115-903C、*這3971-u9019、*遜3429-u905C、*槌3640-u69CC、*鎚3642-u939A、*鑓4490-u9453、*謎3870-8B0E、樋4085-u6A0B、*腿3460-u817F、*蓬4309-u84EC
豕。点あり→なし=連番129啄3479-u5544、琢3486-u7422、塚3645-u585A
横棒あり→なし=連番131徽2111-u5FBD
ノ米→米=連番135襖1808-u8956
少。点無し→あり=連番136頻4149-u983B、捗3629-u6357、瀕4146-u7015
横棒あり、つらぬく→なし、つらぬかない=連番142僅2247-u50C
横棒あり、なし=連番143灘3871-u7058
円→月=連番146*鯖2710-u9BD6、錆2712-u9306
h一人→ヒ=連番150喝1969-u559D、*葛1975-u845B
月→日=連番152澗2034-u6F97
上→ヒ=連番152-2稽2346-u7A3D
・→・=連番153卿2210-u537F
飮の偏→飲の偏=連番155餅4463-u9905、*飴1627-u98F4、餌1734-990C、*喰2274-u55B0、*欝1721-u6B1D、*櫛2291-u6ADB
示→ネ=連番161祇2132-u7947、*祁2323-u7941、榊2671-u698A
げき→車=連番165繋2350-u7E4B
旁の上。彑→ヨ=連番167剥3977-u5265
最終画、抜ける→点=連番170靭3157-u976D
旁の一部→草冠=連番181荊2353-u834A
2)デザイン差と思えるが、差異が別の包摂規準の例示漢字とされているもの
旁の部分の上下が付いている→離れている
概1921-u6982、冴2667-u51B4、捌2711-u634C。
3)デザイン差と思われ、あてはまる包摂規準が考えられるもの
偏の足。右へ鋭角にはねる→乙包摂規準a)のはねるかとめるか、に分類されるか。
頓3860-u9813
4)デザイン差と思われ、あてはまる包摂規準が考えられないもの
縦棒→横棒創3347-u5275
起筆、縦棒→点註3580-u8A3B


  「社会」によると、常用漢字は以下など26字である。( )内は異体字。
=カイ/かた・る、かどわか・す。てへん。9画。常用漢字。
JIS:327D、シフトJIS:89FB、区点:01893、Unicode:62D0
=カツ、カチ/−。くちへん。11画。常用漢字。
JIS:3365、シフトJIS:8A85、区点:01969、Unicode:559D
=カ/くつ。かくのかわ。13画。常用漢字。
JIS:3724、シフトJIS:8C43、区点:02304、Unicode:9774
=ケン/ゲン。きら・う、いや。おんなへん。13画。常用漢字。
JIS:3779、シフトJIS:8C99、区点:02389、Unicode:5ACC
=コウ/みぞ。さんずい。13画。常用漢字。
JIS:3942、シフトJIS:8D61、区点:02534、Unicode:6E9D
=シャ/さえぎ・る。しんにゅう・しんにょう。14画。常用漢字。
JIS:3C57、シフトJIS:8ED5、区点:02855、Unicode:906E
=セイ/ゆ・く。しんにゅう・しんにょう。10画。常用漢字。
JIS:4042、シフトJIS:90C0、区点:03234、Unicode:901D
=セン/−。きへん。10画。常用漢字。
JIS:4072、シフトJIS:90F0、区点:03282、Unicode:6813
=タク/あら・う、すす・ぐ。さんずい。17画。常用漢字。
JIS:4275、シフトJIS:91F3、区点:03485、Unicode:6FEF
=ホウ/たな。きへん。12画。常用漢字。
JIS:432A、シフトJIS:9249、区点:03510、Unicode:68DA
塚(冢)=チョウ/つか。つちへん。12画。常用漢字。
JIS:444D、シフトJIS:92CB、区点:03645、Unicode:585A
=ヒ/とびら。とびらのと・とだれ。12画。常用漢字。
JIS:4862、シフトJIS:94ED、区点:04066、Unicode:6249
=ヒン/しき・りに。おおがい。17画。常用漢字。
JIS:4951、シフトJIS:9570、区点:04149、Unicode:983B
=ホウ/あわ。さんずい。8画。常用漢字。
JIS:4B22、シフトJIS:9641、区点:04302、Unicode:6CE1
癒(瘉)=ユ/い・える、い・やす。やまいだれ。14画。常用漢字。
JIS:6168、シフトJIS:E188、区点:06572、Unicode:7609

暴挙?の背景
・加藤氏の大島氏へのインタビュー
大島 野村先生には、この8月2日(97年)、国語審議会字体小委員会に来ていただいて、お話をうかがいましたが、第二次規格の字形変更・字形入れ換えについては、当時のJCS委員会独自の判断でおこなったとはっきり明言されました。常用漢字表にもとづくとか、文化庁の要請にもとづくなどということは、一言もおっしゃいませんでした。
・78JISの選定の意図を知らなかったため、という。97JISの解説では、例えば「蘂」は留辺蘂町を第1水準表記できることを意図して第1水準に収録したのに、「蕊」と入れ替えてしまったと批判している。「字典」p291。しかし、78JISには、意図が明示されていたのではないようだ。

5.90JISの改訂

人名用漢字2字−−2文字「凜」「煕」が加わった。
「凜」は84区5点に配置された。83JISまでの例示字体「熙」5f66は第2水準の最後尾の84区6点に移動し、5f区66点に「煕」が配置された。「字典」p.257
附属書1表5  5組の異体字関係にある漢字のうちの1組「熙」「煕」
附属書1表6  その他の漢字
「凜」
=キ。れんが・れっか。14画。
JIS:7426、シフトJIS:EAA4、区点:08406、Unicode:7199
=キ。れんが・れっか。13画。
JIS:5F66、シフトJIS:E086、区点:06370、Unicode:7155
=リン。にすい。15画。
JIS:7425、シフトJIS:EAA3、区点:08405、Unicode:51DC
=リン。にすい。15画。
JIS:515B、シフトJIS:997A、区点:04959、Unicode:51DB
がある。
225文字の字形変更
225文字が字形変更された。97JISはこれを包摂規準で説明している。字形変更は、「字典」に78-83、83と記してあるが、一覧表は見当たらない。
1)包摂規準があるもの
2)デザイン差と思えるが、差異が別の包摂規準の例示漢字が含まれるもの
韋。舛。短い横線に縦線。付く→付かない包摂規準b)の付くか付かないか、に分類されるか。違、舜、傑は連番120の例示漢字。
偉1646-u5049、緯1662-u7DEF、違1667-u9055、衛1750-u885B、降2563-u964D
桝4381-u685D、瞬2954-u77AC、舜2956-u821C、傑2370-u5091、隣4657-u96A3、麟4659-u9E9F
短い横線に縦線。付く→付かない包摂規準b)の付くか付かないか、に分類されるか。概は連番122の例示漢字。
厩1725-u53A9、慨1920-u6168、概1921-u6982。
ノの起筆の縦線の右に、でない→でる包摂規準a)の交わるか、に分類されるか。芽、雅、邪は121の例示漢字。
芽1874-u82BD、雅1877-u96C5、邪2857-u90AA、窮2171-u7AAE、謝2853-u8B1D。
3)デザイン差と思われ、あてはまる包摂規準が考えられるもの
旁の3画が点→短い棒包摂規準33か。表示された文字は90JISの例示字形に変更をしていない。 均2249-u5747
巾の縦線の起筆、分からない→分かる包摂規準109か。
姉2748-u59C9
旁、第3,47画の接触位置包摂規準163か。やや異なるが、例示文字にある。
派3941-u6D3E、脈4414-u8108
横棒、止める→右上から左下へ包摂規準a)の入りの左右、に分類されるか
考2545-u8003、拷2573-u62F7
偏の1画が点→短い棒包摂規準a)の点か棒か、に分類されるか
帰2102-u5E30、班4041-u73ED
最後の2画の接触位置包摂規準b)の接触位置の差、に分類されるか
像3392-u50CF
耳の下横線、とめる→はらう包摂規準a)のはらうか止めるか、に分類されるか
餌1734-u990C、恥3549-u6065、摂3261-u6442、輯2920-u8F2F、聯4694-u806F
耳の下横線、はねる・でる→はねる・でない包摂規準b)の抜けるか抜けないか、に分類されるか
耶4477-u8036、敢2026-u6562
非の下横線、出ない→出る包摂規準a)のはらうか止めるか、に分類されるか
罪2665-u7F6A、輩3958-u8F29、悲4065-u60B2、扉4066-u6249、斐469-u6590、緋4076-u7DCB、誹4080-u8AB9
下横線、出ない→出る包摂規準a)のはらうか止めるか、に分類されるか
収2893-U53CE
ン出る→出ない包摂規準b)の抜けるか抜けないか、に分類されるか
兆3591-u5146、眺3615-u7773BA、跳3623-u8DF3、桃3777-6843、逃3808-u9003
再の下の縦棒。上の横棒と離れている→つく包摂規準b)の付くか付かないか、に分類されるか
購2556-u8CFC。
偏の足、右へ鋭角にはねる→乙包摂規準a)のはねるかとめるか、に分類されるか。表示文字は90JISの例示字形に変更をしていない
殻1944-u6BBB
偏の足、乙→右へ鋭角にはねる包摂規準a)のはねるかとめるか、に分類されるか。表示文字は90JISの例示字形に変更をしていない
頑2072-u9811
最終画、はらう→とめる包摂規準a)のはねるかとめるか、に分類されるか。
遂3175-u9042。
十の縦線の角度。斜め→まっすぐ包摂規準b)の角度、に分類されるか
据3188-u636E、楯2961-u696F
4)デザイン差と思われ、あてはまる包摂規準が考えられないもの
起筆の筆押さえ、あり→なし
・沿1772-u6CBF、鉛1784-u925B、船3305-u8239、翁1807-u7FC1、松3030-u677E、訟3057-u8A1F、総3377-u7DCF
・穴2374-u7A74
・盆4363-u76C6、頒4050-u9812、粉4220-u7C89、紛4222-7D1B、雰4223-u96F0
右に払う線の起筆の筆押さえ、あり→なし
・建2390-u5EFA、健2382-u5065、延1768-5EF6、誕3534-u8A95、廷3678-u5EF7、庭3677-u5EAD、艇3690-u8247
・父4167-u7236、交2482-u4EA4、校2527-u6821、絞2542-u7D5E
・更2525-u66F4、硬2537-u786C、便4256-u4FBF
・丈3070-u4E08、史2743-u53F2、使2740-u4F7F
十と廾が付かない→付く
・噴4214-u5674、憤4216-u61A4
旁第5画の接続位置上→中
・捧4291-u6367
差異が不明な字形
・葺4188-u847A、蔽4235-u853D、翼4567-u7FFC、麗4679-u9E97、聾4724-u807E