日本最大の火祭り 「青森ねぶた祭り」

 

サイクリング&キャンプ 2007

 

 

 

青森ねぶたには日本全国からライダー、チャリダー、旅人が集まってきます。

毎年8月2日〜7日までの6日間に渡って開催されます。

青森市が公式に無料の臨時キャンプ場を、フェリーターミナルの近くに期間中1日〜8日昼頃までだけ、我々のために開いてくれ、旅人が大集結します。自動二輪ライダーが昨年は370台、チャリダーは数十台が集まったそうです。

大きな山車のねぶたが市中を練りゆくさまが圧倒的な迫力ですが、その周辺に笛と太鼓でのリズム役の「囃子方」と、「跳人(ハネト)」という派手な衣装を着て「ラッセラー」と叫び飛び跳ねる祭りの盛り上げ役がおり、われわれ旅人でもハネトとして祭に参加することができます。ハネトの衣装は必需ですが、現地で3700円くらいで手に入ります。

平日なので休暇がとれないとお思いでしょうが、ねぶたフリークはなんとしても有給休暇を取得して毎年やってきます。また期間中に土日が一度は入り、週末だけくるものも多く、もっとも祭りとキャンプ場がフィーバーするのはこの時なので、青森は少し遠いですが、週末土曜の夜跳ねるだけでも楽しめるでしょう。

ねぶたは青森以外にも弘前、五所川原などでも開催されています。青森ねぶたの規模がダントツ一番で空前のスケールですが、五所川原もお勧めです。ビルのように20mの高さで立つねぶたが、狭い商店街の道路を練り進む姿は圧巻。

青森ねぶた祭(8月2日〜8月7日)キャンプ場情報あり
http://www.nebuta.or.jp/

弘前ねぷたまつり(8月1日〜8月7日)
http://www.acci.or.jp/adaa/top/natu/hirosaki.html

五所川原立佞武多祭り(たちねぷた)8月4日〜8月8日
http://www.tachineputa.jp/festival/index.html

「ねぶた」こそ日本最大のお祭りであり、日本人なのにねぶたで踊ったことがないのは、それはとても悲しいことだと思いますよ。ぜひとも青森のキャンプ場に自転車をもってきてくださいな。

安東も野宿党の連中とキャンプ場にいます。ひとりで来られてもだれでも歓迎します!

では、みなさん、青森で! いっしょに跳ねましょう!

 

地平線会議野宿党 ネブタ対策作戦本部 

JACCねぶたちゃりだー実行委員会

安東浩正 (ラッセラーマン一号)

 

 

ねぶた会場にはキャンプ場からみんなでいっしょに行きます!

 

 

よっしゃあ!気合入れていくぜ!

 

 

これがうわさの無料キャンプ場!

 

 

 

 

昨年雑誌に掲載したものを、一部ご紹介します。

 

三推社フェネック8月号原稿

文と写真:安東浩正

 

題名:

参考仮題2

「ニッポンの夏、祭りの夏」

 

エッセイ本文(16字×71行)

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今年もまた怒濤の夏がやってきた。

そう、夏といえば祭りだ。近所の盆踊り大会もいいけれど、やはり祭りは過激であるほど血沸き肉踊るというものだ。今年もそんな熱い夏を求め、北へとペダルを漕ぎ進めよう。

毎年8月の第1週に、テントや寝袋などキャンプ用品満載の自転車や自動二輪で、旅人が日本全国から青森に集まってくる。数ある夏祭りの中で「ねぶた」は最高峰であり、「ハネト」という踊り役で、誰でも自由に参加できるのだ。

市内の特設キャンプ場にはテントがいくつも花を咲かせ、夕方になるとにわかに騒がしくなってくる。ユカタに赤のタスキ掛けのハネト衣装で、自転車や自動二輪が数十台並び、祭りの会場までコンボイを組んで走るのだ。みんな個々に集まった旅人だが、ハネトになる目的に気持ちはひとつだ。観光客が我々にカメラを向けている。この集団走行そのものも、この祭りの風物詩となっている。

駐輪場に自転車を置いて会場に入ると、すでに幾つもの大型山車「ねぶた」が並んでいる。夕闇も濃くなり、祭り開始の合図が響くと、それぞれの山車の太鼓が響き始める。

「さあ出番だ、気合入れて行くぞー!ラッセーラー、ラッセーラー」のマイクの掛け声に「ラッセー、ラッセー、ラッセーラー」とみんなで声を張りあげ、跳ね踊りが始まった。

この瞬間、我々は異次元の世界へトリップするのだ。祭りとは、現実の世界から魔性の世界へ抜け出す魔法の劇場。そこへの入場料はあなたのその好奇心。今年もまた、焦げつく夏が始まった。

        ※

一週間続いた祭りの後は、ちょっと気分もセンチメンタル。せっかく本州最北まで来たのだから、さらに海を越え北海道に渡り、行けるところまで走ってみたい。北上を続け行きつく果てに、オホーツク海がある。そこは最果ての旅情漂う宗谷岬。これ以上に北はない日本の最北端だ。

かつてどれだけ多くのサイクリストがここを目指し、何日もペダルをこぎ続けてきただろう。登山家が山頂を目指すように、自転車野郎は陸地の端っこを目指す。中でも宗谷岬への道筋は最も遠く、決して容易ではない。だが、たどり着いたからといって、そこからの海の景色が他の海岸に比べて特に違うこともない。ただ日本の端っこというだけで、毎夏多くの旅人がやってくる。

「世界に果てはあるのだろうか?」そんな問いに答えるため、旅人は自らに試練を課してまで、ここに来るのかもしれない。「そんなのは地図を見れば分かるじゃないか」なんてテレビで見てきたような回答では、納得できないに違いない。自らの好奇心に自ら答えるため、この夏も日本のテッペンには、多くのサイクリストが訪れることだろう。

さあ、北へ!