ARCTIC
極北カナダ
バフィン島 強化トレーニング計画書
極地トレーニング2004
安東浩正 Hiromasa Andow
カナダ氷上トレーニング計画書
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1. 計画趣旨 Outline of plan:
極北カナダのバフィン島は、1999年に誕生したヌナブト準州にあります。ここは先住民である極北の民イヌイットの自治州で、カナダの多くの領域を占めます。その日本の5倍もの面積のわりには人口は3万人程度であり、人口密度だと日本の2万5千分の一。その80%以上がイヌイットです。
その首都であるイカルイットに飛び、まずは氷上トレーニングを行います。この町のあるバフィン島は、海峡を挟んで対岸にグリーンランドがあります。また北極圏ラインの真下にあり、まさに極北の地といえるでしょう。
4月〜5月とはいえ、まだ海は凍っており、夜間は零下30度以下になります。乱氷帯など、日本ではなかなか見られない自然環境があります。とりあえず、今回は氷の上での活動がどのようなものかを体験するためのトレーニングと言えます。先のシベリアで、バイカル湖の凍った湖面上を1000キロ走ったことがありますが、海と湖ではスケールも違うことでしょう。またスキーを用いた行動は今まであまりなかったので、自分にとって未経験の新しい装備でのトレーニングとなります。現地で極北地方に幾度も足を運んでいる、上村氏と合流します。
1ヵ月半ほどの旅行期間において、イカルイット周辺で約1週間から10日ほど乱氷帯などでのトレーニングや、装備のテストを行います。イカルイットは人口3000人程度の小さな街ではありますが、生活に必要なものはひととおりそろえることができます。よって、なにか装備に不都合があっても、とりあえずの対処はできます。
その後、ちょっとした小さなライトエクスペディションに出かけるつもりです。具体的にどのルートを選ぶかは、現地で決めることになりそうです。バフィンは世界第五位の大きな島で、島内にはいくつかの集落がありますが、集落を結ぶ道路はありません。ヌナブト準州にはどこにいくにも道路はなく、首都のイカルイットから隣町に行くにも、公共の交通手段は、海も凍る冬の間は基本的に飛行機のみです。小さな街へは小型飛行機が飛んでいます。また海峡を挟んでグリーンランドにも定期便の飛行機が飛んでいます。グリーンランドのほうが、村がぼちぼちあるようです。
シロクマが結構いると聞きます。運がいいと出会えるかも知れません。ヒグマとはまた違った対処の方法が必要でしょうが、それも学んできます。まだ4月の初めだと、オーロラも見られることでしょう。5月にはいるとほとんど百夜状態になるでしょう。
では、しばしのあいだ、再び極北の地を楽しんでくると同時に、技術を磨いてまいります。
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2. 目的 (Purpose)
● 現時点でほとんどノウハウを持っていない、凍った海氷の上での活動方法を習得する。
●
日本の山岳地帯に見られない自然環境や、登山技術とも異なる特殊な寒冷条件下での装備をテスト考察する。極地でのドライスーツでの行動、ベイパーバリアライナー技術を用いた寝袋、靴、手袋といった特殊装備のテスト。GPS、スキーとソリでの歩行技術、気象状況への対応など。
●
自転車走行の可能性の調査
● その他、シロクマへの対処方法、オーロラの撮影など
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3. 期間及び場所 (Time & Place)
●期間 2004年4月5日〜5月24日迄の1ヶ月半 ※最終帰国日(安東) 5月24日
Duration of time: From
●場所 カナダ ヌナブト準州 バフィン島 グリーンランド
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●安東フライトスケジュール
ANDO/HIROMASA
MR
05APR04
MON TOKYO/NARITA DELTA DL56 1530
ATLANTA DELTA DL4600 1846 OTTAWA 2115 ( FLYINGTIME2:29 )
06APR04
TUE OTTAWA CANADIAN NOR 5T 436 0940
IQALUIT 1250 73M( FLYING TIME3:10 )
16MAY04
SUN IQALUIT CANADIAN NOR 5T 437
1335
23MAY04
SUN NYC/LAGUARDIA DELTA DL 419 0600 ATLANTA 0818 757( FLYING TIME 2:18 )
ATLANTA DELTA DL55 1020 24MAY TOKYO/NARITA 1325 (FLYINGTIME14:05
)
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4. 日程表及びルート計画
●4月上旬 イカルイットでトレーニングおよび準備 ICE TRAINNING
1週間から10日ほど、イカルイットの氷の上で装備のテストや、スキーとソリでの歩行練習、乱氷帯でのトレーニング、などを行います。この町では基本的な生活用品はだいたい手にはいるので、装備に問題があったときも補修等がききます。
●4月中甸〜5月中甸 ライトエクスペディション LIGHT
EXPEDITION
イカルイットからのさらに荒野の村へのフライトを利用して、約3週間ほどでの小旅行を企てます。エクスペディションと名打ってはいますが、あくまで実践的なトレーニングを兼ねたものです。補給を受けたり、現地に連絡事務局を置くなどといった大掛かりなものではありませんが、、極北カナダはほとんど人が住んでいないので、あなどれません。緊急事態用に衛星携帯電話イリジウムをもってゆきます。ルートは現地で情報を得て決定します。下記はアイデアです。
Plan1.
Greenland Nuuk周辺
イカルイットより直行フライトあり。グリーンランド側は村も多く、村々を繋いで旅が出来る。
Plan2. Simth Strait スミス海峡
カナダエルズミア島とグリーンランドの間にある海峡。昨年は凍結しなかった。無人地帯。
アプローチにチャーターフライトが必要なため、お金がかかるため、今回は無理でしょう。
Part3. バフィン島北部 PondInletからClydeRiber
直線で500〜600キロの間は無人です。起伏にとんだフィヨルドの海岸線が美しい氷上をゆくルート。
Part4. バフィン島中部、アウユイツック国立公園
クライミングで有名なトール西壁など、バフィン特有の山々が美しい。無人地帯だが、スノーモービルのトレースがあると思われる、陸地をゆくルート。
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6.装備 冬季登山装備一式、スキー、ソリなど 食糧 1ヵ月分
日本からは自転車は持って行きませんが、現地でその走行の可能性は探って来たいと思います。
現地には衛星電話を持っていきますが、あくまで生命にかかわる緊急用のみしか使えないため、基本的に連絡手段はありません。
装備協力: モンベル、アライテント、スーパーフィート、ICI石井スポーツなど
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7. 地域概要 ルート地図 Route Map
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